2014年8月29日金曜日

ディテールアップ ヘルメット編 6

 ドライバーの「顔」表現です。

 絵心がないとハードルが高いですが、要はコツと練習です。何といっても、フルフェイスの場合、ヘルメット越しの目と眉でしか表現できないので雰囲気重視です。
 ドライバーの顔写真を参考に描きます。ヘルメットの有無、レースか否か、で表情が違いますが、自分の好きな表情を描けばよいと思います。

 特徴の捉え方としては、似顔絵の要領で
①目 大きさ、位置、つり目・たれ目・間隔、瞳の色
②顔の色味
③眉 太い・細い、位置・角度
④眉間のしわ、頬の膨らみ(ヘルメット内装による)  などをよく観察しながら描きます。

画材について
塗料は、ラッカー系(顔、眉など 艶消し~半艶)、補助的にエナメル(瞳の色)やアクリル系(塗料の伸びが悪く、塗膜が厚くなる)を使います。

筆 面相筆(良いものを使うと、気持ちよく塗装できます)
塗装は、前述の①②③④の順で行います。白目の部分は、ヘルメットの下塗りの白色をそのまま残します。
①瞳
まず瞳の位置を決めて、丸く色を入れます。(カメラ・メンテナンス用の先の尖った綿棒などを使うときれいに描けます。
②顔
目の形をイメージして塗り残しながら、顔色の濃い色(黒ではありません)を塗ります。
少しづつ、顔の明るい部分を明るい色で塗り重ねていきます。半乾き位が適当に色が混ざってよいです。
③眉
ドライブラシの要領で、繊細に描きます。イモトみたいにならないように
④眉間のしわ、頬の膨らみ
意外と眉間にしわ、寄っています。顔で塗った濃い色をしわ表現に少し塗ります。
頬の膨らみ(内装パッドに押されている部分)は盛り上がったところに光が当たって明るくなっている(ハイライト)ので、表現として顔色を明るくして塗ります。
僕の経験では、1回でバッチリ ということはありません。修正の場合は
①目の修正→目の部分を少し広めに白く塗って瞳から描き直す
②顔色の修正→顔全体を新しい色で塗り直す
③眉の修正→顔色で塗りつぶし、その上から描き直す
④しわ等→顔色で塗りつぶし、描き直す
失敗しても諦めず、やり直して少しずつ似せていく、という気持ちで取り組んでください。

顔が完成したら、
①内装 艶消し黒 (セナは青や緑でした)※ハミルトンもですね
②ゴムモール 半艶黒
を塗装したら完成です。
※製作途中、集中して作業していたので画像がありません。すみません、次の機会に紹介します。
ボディに直接取り付けると、首が埋まったような感じになるので、僕はOリングを間に挟んだりして調整しています。(今は専ら可動ギミックヘルメットなのでもっと隙間が必要です)

2014年8月22日金曜日

ディテールアップ ヘルメット編 5

 ヘルメットのスポンサー等の再現方法は、①ボディ付属や市販デカール ②インクジェットプリンターによる自作 ③手書き(マスキング塗装含む) などがあります。それぞれの特徴として
①長所:簡単、複雑なパターンやロゴが再現されている 基材が透明で白文字もOK 柔軟性が高く、曲面に馴染みやすい 短所:剥がれ イメージの変更不可、など
②長所:複雑なロゴ・パターンの再現が可能(印刷データの作成能力によります)、何度も作り直しができる 短所:デカールの厚みが気になる(t=0.15mm~0.2mm程度)、柔軟性が低くヘルメットのような小さな3次曲面に追随せず剥がれやすい、PC・ソフトウエア・プリンター等の操作・作業能力や用紙(フィルム)の知識が必要、白い文字や色合わせが難しい、など
③長所:厚みが少ない(塗膜分)、自分で好きなように描ける 短所:ロゴなどの場合精度が低い 色数分の塗料や筆などの画材が必要
 僕は、ドライバーの上半身などあまりよく見えない所は「③手書き」、ヘルメットのようによく見える所は「①②の貼り付け」を基本にしています。

 貼り付け作業の道具として 前回紹介の カッターナイフ、カッティングマット、マスキングテープ(状況に合わせて細く切って使う)、方眼付直定規、ピンセット(しっかり掴める先の尖ったもの)、などを使います。
①写真左側 タミヤMP4/6付属デカール
 一般的には透明な基材に隠ぺいのための白色が印刷され、その上に模様やロゴが印刷されています。透明部に直接、白い文字もあります。
②写真右側 自作デカールに使っているプリンター用紙)
 PCを使いグラフィックソフトでイメージを作成・プリンターで印刷しています。付属デカールとの最大の違いは、「地色に白文字」の表現が難しいことです。透明なプリンター用紙はありますが、白色は特殊なプリンターでしか印刷できず、残念ながら僕は持っていません。しかし、工夫すれば、それなりに表現できます。
 最近は様々なプリンター用紙が販売されていますが、基材が薄く柔軟性の高いものはありません。とりあえず耐水性の高いものを使用していますが、付属デカールに比べると柔軟性が低く、ヘルメットの曲面には馴染み難いため、大きなカラーリングは塗装し、細かいロゴなどに使用しています。
※自作デカールに限ったことですが、カットする前に、しておくことがひとつあります。それは印刷したプリンター用紙の表面をコーティングすることです。僕は、切り出したデカールをマスキングテープを使って貼る時があり、プリンター用紙にマスキングテープをそのまま貼ると、表面にテープの糊がこびりつきます(インクを吸収する凹みに糊が入り込むのではないかと考えます)。そこで糊のこびりつき対策を施しておきます。
 印刷後、しっかり乾燥させてからカー用品のボディ用コーティング剤を表面に塗布します。コーティング剤がインクを吸収する凹みを塞ぎ、糊のこびりつきを防ぎます。
※どんなコーティング剤やワックスが同じ効果を得られるかは経験値がなく分かりません。自身でお持ちの製品を使って、印刷済みプリンター用紙の余りなどで試してみてください。
セナヘルメット用自作デカール 大きさや色調整の為、複数枚印刷しています。
 ヘルメットに使用するような小さなロゴやマークの印刷の場合、用紙節約の為、印刷データをはがきサイズで作成し、なるべく横方向に余白の無いよう・上に詰めてレイアウト、A4用紙を100mm幅(はがきの短辺)にカットし、プリンターの用紙設定を「はがき(印刷品質は専用光沢紙など)」で印刷します。印刷した上の部分をカットすれば、未印刷の部分を有効に再利用できます。(上下寸法が50mmくらいまで使えます)
 印刷シートからの切り出しにはカッターナイフを使いますが、作業の始めに刃先を新しくすることを勧めます。切れ味が悪いと切り口が汚くなったり、狙い通りに切れない場合があり、最悪デカールを台無しにしてしまいます。
極力、無駄な部分の無いようカットし、小さなものはピンセット、大きなものや長いものはマスキングテープを使って貼り付けます。指を使うと皮脂などが付き、粘着力が低下します。ピンセットを使う場合は、印刷を傷付けることがあるので注意が必要です。
※黒っぽい面に自作デカール(透明以外・白色用紙など)を貼り付ける場合は、カットした部分に黒(または貼り付ける地色)マジックを塗っておきます。こうしないとカットした端面(白色)が貼り付け後、目立ってしまいます。写真は切り出した後、台紙に張った状態で裏返し、端面をマジックで塗っているところです。
長い文字やパターンを貼り付ける場合は、カットしたデカールに〈カットしたデカールの上下幅×指で持てるくらいの長さに切った〉マスキングテープを貼り付けます。デカールの粘着面に触れることなく、細かな位置合わせをしながらヘルメットに貼り付けられます。
(写真は完成品です)
 バイザーを付けた状態で作業します。バイザーをデカール位置の確認に利用し、貼り付け位置の基準となるような比較的面積の大きいデカールから貼っていきます。
次回は、顔を描きます。

2014年8月8日金曜日

ディテールアップ ヘルメット編 4

 艤装作業は 1.シールドバイザーの製作・取付 2.スポンサーデカールの貼り付け(+クリヤー塗装) 3.顔、モール類のペイント の3行程です。
 まずはシールドバイザーの製作です。材料は、①入手が簡単 ②低価格 ③加工が簡単 と三拍子そろった=炭酸飲料PETボトル を使います(以前は平板の透明材を使っていましたが、入手しにくいうえ滑らかな曲面に加工するのが難しかったです)。
写真左は複雑な造形やシボ加工があり使える部分がほとんどありません。写真右のように単純な円筒形で曲面のきれいなものを使います。できるだけキズや擦れのないもの(注:ラベルをはがす際にもキズ付きます)を(飲用も兼ねて)購入します。
 あまり柔らかいもの(厚みが薄いもの)はカットした断面が薄すぎて「それらしくない」ので、なるべく腰のある硬い(厚みがある)ものを選びます。1本でたくさん作れますが、切り出しの失敗や形状調整などを考え、1~2本の予備があると安心です。飲んだ後にしっかり濯いで乾燥しておきます。
使用する道具は
①方眼付直定規(版下写植用・いろいろな作業で使います・方眼が便利です・エッジに金属が付いていないもの) ②プッシュピン(バイザー取り付け穴の位置決め用) ③R定規(製図用)④0.3mmシャープペンシル ⑤ピンセット(しっかりつかめるもの) ⑥カッターナイフ(細かい作業を行うので小型のもの) ⑦ラチェットビットドライバー(ネジのほか穴あけなどに使用) ⑧ピンバイスとΦ1.0mmのドリル ⑨精密ドライバー ⑩精密ネジ(僕が使っているのは眼鏡用段付きのもの) ⑪カッティングマット ⑫5mm方眼用紙(A4くらいが使いやすいです) 写真にはありませんが ⑬マスキングテープ(20mm幅くらい 白いタイプ) ⑭細書きのマジック ⑮板の端材(穴あけの下敷き用)など
僕が描いたタミヤ製フェイス付ヘルメット用シールドバイザーの型紙です。他のヘルメットには、現物合わせの調整が必要です。(水色がバイザー部、赤い点が穴あけ位置です)
※ピン角の部分は任意で丸く仕上げてください。
 型紙は、5mm方眼用紙にR定規などを使って0.3mmのシャープペンシルで清書したものです。指示寸法で作図するか、原寸で普通紙(プリンター専用紙はダメです:表面にマスキングテープを貼りますが、専用紙は悲惨なことになります)にプリントします。バイザーの部分に水平にマスキングテープを貼り、透けて見えるバイザーの外形線と穴あけ位置をトレースします。
 型紙のラインを写し取ったマスキングテープを型紙からそっと剥がし、PETボトルに水平に貼り付けます。トレースした線に沿ってPET材ごと切り出します。
ヘルメットに取り付ける穴をプッシュピンを刺して作ります。
精密ネジの取り付けのため、1mmのドリルで穴を大きくします。
Φ5mm~10mmくらいの丸棒に当てて反りをきつくします。(写真は細書きのマジック)
シールドバイザーをヘルメットにあて、取り付け位置を上下左右(センターも重要です)確認します。この時、ピッタリ密着させると、取付け後、開閉できなくなります。(スポンサーデカールやクリヤー塗装のこともあります)ヘルメットから0.5mmくらいの隙を残した位置にします。
 シールドバイザーの片側の取付穴からヘルメットにプッシュピンを刺します。
 シールドバイザーを外し、ヘルメットに残ったプッシュピンの刺し跡にピンバイスで穴(深さ5mm程度)を開けます。開けた方のみバイザーを精密ネジで取り付けます。バイザーをヘルメットに対して左右等しい位置にして、反対側の取付穴からヘルメットにプッシュピンを刺します。
 先ほどと同じようにピンバイスで穴を開け、精密ネジで取り付けます。ネジは大変小さいので、袋から取り出す時やバイザーを止める時に、ピンセットを使うと作業が楽になります。ネジはあまり締めすぎないように。締めすぎるとヘルメットのネジ山が潰れてしまいます。開閉に少し抵抗がある程度がいいです。
追記
*シールドバイザーのスモークやミラーの表現について
 スモーク表現は、カー用品のスモークフィルム(切れ端で十分)をウインドと同じ要領で貼り付けます。
 ミラー表現は、デコレーション用のミラーテープを貼り付けます。
どちらも切り出したバイザーより大きめのものを、マスキングテープを剥がした表面から貼り、裏返して、はみ出した余分を切り取ります。

 次回は、スポンサーデカールの貼り付けです。