没後20年に合わせて、F101・MP4/8用に新しく製作したセナ・ヘルメットで手順を紹介します。
まずは、情報収集。セナのヘルメット資料を集めます。今でこそウエブを検索すると画像データなどが簡単に入手できますが、必要な情報はなかなか無いものです。そこで昔ながらの手法として雑誌等の印刷物も参考にします。
左から、フジテレビ出版「F1 TV HANDBOOK CONSTRUCTORS' 1993」(当時購入)、ウエブで集めたレプリカヘルメット写真、Numberセナ特集号、このほか当時のF1雑誌などヘルメットのカラーリングに必要な資料を揃えます。
20年前はヘルメットのパーツを組み立てて、ペイントしていただけですが、最近は少し手間をかけています。具体的には、顔とチンガード間の平面部をハンディリューターで少し彫り込み、口元の空間を作っています(写真右側)。こうすると仕上がりがよりリアルになります。
今回は、セナ用ということでチンガード部の尖りをパテ造形しました。ベースは前回紹介のフェイス付ヘルメットですが、僕はシリコンで型取りして作った複製を使っています(前回の未塗装品は、無発泡ウレタンが少し変色したもの)。理由は、タミヤパーツをなかなか購入できないのと、修正を毎回行う手間(型取りとどちらが手間?)を嫌い、造形を調整した原型から作った複製を使っています。
塗装は、下塗りにラッカー系サーフェイサー(グレイ)+ラッカー系ホワイトサーフェイサー、中塗り(黄色の発色準備とホワイトのピンストライプ部になります)にラッカー系ピュアーホワイト(写真の状態)です。
※ここまでは缶スプレーです。
※缶スプレーは塗膜が厚くなるので、1回ごとに十分な乾燥時間をおいて作業を進めます。(同色重ね塗りの場合は数時間~半日、異なる色の場合は1日以上置いています)
マスキングにはホームセンター等で入手できるマスキングテープを使用します。左の黄色いタイプは、柔軟性があり曲線・曲面によく馴染みます。糊残りも少なくマスキングラインもきれいです。右の白いタイプは柔軟性が低く、テープ端の糊がマスキングラインを汚します。黄色いタイプを主に、白いタイプを補助的に使用しています。
まずヘルメットの下端から中央部付近まで、前述の黄色いテープを3mm幅にカットし隙間なく貼っていきます。頭頂部に近づくと、(鉢巻状に貼っていくため)Rがきつくなり、直線のテープでは内側が浮き上がります。そこで、
カッティングマットに幅の広い(30mmくらい)白いマスキングテープを貼り
その上に同じ幅の黄色いマスキングテープを貼り
コンパスカッターで3mm幅ずつ同心円にカットし、頭頂部付近用のマスキングテープを切り出していきます。
大きなRは額の高さ辺り、小さなR(セナ・ヘルメットでは使用しませんでした)は頭頂部付近に使います。
(写真はマスキング作業を再現したもので、セナ・ヘルメットではありません)
幅が3mmより細いとRの変化に対応できますが、面積が小さくマスキングの貼り足しが増えます。幅が広いとRの合わない部分で内外どちらかが浮きやすいです。顔の部分はまえもって独立したマスキングテープを貼っておきます。
この年代のカラーリングは、今に比べると大変シンプルです。特にセナの色見切りは水平のみで、マスキングしやすいです。しかし、シンプルなほど、比率や平行が目立ちます。
そこでマスキング位置の簡単な確認方法です。
(写真はマスキング位置確認作業を再現したもので、セナ・ヘルメットではありません)
ヘルメットを参考写真と同じ大きさに見えるように持ちながら、マスキングの位置を決めていきます。セナの場合は、緑と青のラインの上下幅を、写真を見ながら調整しました。
次回は、塗装について・・・
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